2023年10月のつぶやき

 

 ・2023年10月はすばらしい気候の日々に恵まれた。心地よい風、高い空。葉々がこすれあう木立の音。この空気に何を溶かそうかと考えた。どの音楽がいいか、どのお香がいいかと。最良の食材を前にした料理人のように。

 皮膚に当たる空気全て、自分が求めていた以上の品質だった。

 

 ・釣りに行った。次から次から釣れた。満月に近いのも関係していたのかもしれない。が、むかし魚を飼っていたために可哀相に思えて仕方なかった。特に、小さめの魚が酸素を求めてパクパクしているのが「エサちょうだい!」のパクパクに見えて。

 矢野顕子の「釣りに行こう」が聴きたくなったのは家に帰ってシャワーを浴び終わってからだった。

 「釣りに行こう」が入っているアルバム『LOVE LIFE』をつまみ聴きしてから、アルバム『LOVE IS HERE』を聴いた。「CHILDREN IN THE SUMMER」のブラスがシャープで良い。Bメロの前にパララキャラパパ……って入ってくるのとか、最後のサックスソロとか、すごくワクワクする。『LOVE LIFE』も『LOVE IS HERE』もサウンド東海岸ジャズフュージョンですごく自分好み。スムースジャズ歌謡というか。

 

 ・おいでよどうぶつの森RTA動画を開くことがあった。心地よい。

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 ・自分には縁遠い飲料だと思っていたエナジードリンクを常用している8月9月10月だった。確かに効き目を感じた。効き目、というか、飲んでれば自分の動きが良くなる、というか、動きの悪さが多少覆い隠せる、というか。モンスターエナジーのパイプラインパンチという味がお気に入り。果汁16%。美味しいジュースみたいで普通に美味しい。

 いま書いてて思い出したけど、私が偏愛する激安スーパーであるラ・ムーにもオリジナルエナドリがある。名をゴールデンハンマーという。ラ・ムーの運営会社である大黒天物産の由来であろう大黒天、が持っている打ち出の小づちに由来するのであろう。費用対カフェイン比はレッドブルとかモンスターエナジーなんかより全然良かった気がする。激安食品にありがちな殺風景デザインに傾きつつも、配置や文字のバランス等がセンスによってこぎれいにまとまった缶の絵柄も、ほどほどに意識が低そうで大変よろしい。これを飲んでいる人は、コンビニで売ってるようなエナジードリンク飲んでは「不健康な自分」を演出しているその辺の軟弱者より500倍ぐらい身体に悪いことしてるように見える。トップバリュの酒飲んでる奴と同種の「一線を越えてしまった」感。金色に打ち出の小づちが描いてあってゲームのアイテムみたい。カービィの世界に置いてあっても違和感なさそう。味の方もまずまずで、レッドブルにそん色なかった気がする。最近飲む機会に恵まれていないが箱買いしようか悩みはしている。

 

 ・いよいよ電子タバコすらも気分悪く感じることが多くなった。

 先日飲んだ一杯が今年初めての日本酒だった。どんどん身体がクリアになっていくのだろうか。

 ・新幹線の喫煙スペースがなくなった。車内販売もなくなってしまった。今の子どもは悪ぶってもタバコは吸わないらしい。買えないしうえに高いからだそう。もうひと箱500円じゃ買えないもんな。

 

 ・市か区かがやってる施設に月1ペースで行く用事があって、かよっている。そこのローカル感(他の場所でも感じるようだけど、でも少し違う雰囲気。そんなはずはないのだが、立地しているのがそれほど裕福でない地域なのかもしれない。決してお金持ちではない人が思いやりと優しさを持ち寄って運営出来ている雰囲気)が、2023年の夏から秋にかけての象徴的な印象感覚のひとつになった。そこのことを思うと少しだけ不必要に悲しくなる。

 スタッフはシルバー人材センターの人でマニュアル通り過ぎない感じで働かれていて良かった。皆さん動きがゆっくりで、そして書く字になんというか説得力があった。長く生きている人の筆跡。

 

 ・散髪をした。床屋の主人は木工工房をやっている人みたいな雰囲気だった。私の好きな日本人ジャズピアニストにも少し雰囲気が似ていた。髪型の流行り廃りについて教えてもらう。ご主人は前髪、サイド、後ろのラインをつなげる髪型を「つなげる頭」と呼んでいて(小学生向けの塾で聞くような語感が面白かった)、昔はそれが当たり前だったらしい。彼が床屋さんを始めた頃はスポーツ刈りや「ブロース」なる髪型(スポーツ刈りに類するもののようだ)を、ハサミだけで—―つまりバリカンを使わずに――作れるのが当然だったらしい。今の子はそういうことが出来ないらしい。

 ・「世の中には色んな散髪屋さんがいるのだな」ということを思った。当たり前の事実を何故かこのタイミングでふと思った。ワイシャツにスラックスの人、アロハシャツの人、エプロンを着た人。皆同じようなことを同じような手順でやっているように思えて、それぞれのスタイルがあった。タバコを吸っている人、AMラジオをかけている店、有線のイージーリスニングをかけている店。また散髪に行きたくなってきた。早く髪伸びないかな。

 

 ・数年ぶりに自分に縁深い場所を歩いた。光が清潔で、でも清潔過ぎなくてほどほどに過ごしやすかった。草が伸び放題の土地があったりしてよかった。コインランドリーとクリーニング店がやけに多かった。何かと重ね着する人たちが住んでいるのかもしれない。八幡市を南北に通る府道22号線ぽい道があった。また間をあけて遊びに行こうと思っている。

 ・住んでいるところから離れた土地に行ったら何かを食べるようにしている。出来れば現地に住んでいる人が手で作ったものを。自分の出来心地(組成)にランダムな変化が生まれることを狙ってのことだ。

 

 ・2023年10月の私がここでこういう暮らしをしていることを、例えば2015年とか2017年の私は想像すらしなかった。人生は何がどうなるか分からないものだなあ。と、思ったが、2015年の私も2017年の私も、私に2023年まで生きていて欲しくなかった。「どうなるか分からないものだなあ」じゃあないんだよ。早く死んでくれや。

 

 

 ・G-SHOCKのこと。

 5900シリーズにまたしても新しい機種が登場した。ラッシュと言っていい。

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 社外品のアダプターとファブリックバンドに替えて着けたい。電波ソーラーの5900でないかなとずっと思っている。

 ・それからGD-350シリーズの動向を気にしている。今は黒金しかないが、落ち着いた色合いのモデルが出てほしい。

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 ・テクノって抜き差しの音楽だと私はとらえている。パートが入ったり消えたりすることで変化をつける。曲が進行していく。日常とモノの関係も同じだと思った。自分の心音なり靴音がドッドッドッドッと4つ打ちで鳴ってるうえに、あの椅子を捨てました、カトラリーを買いました、このテレビを手に入れましたというように、「乗ってるパート」がどんどん移り変わる。AとBが一緒に在った時期、AとCは同じ時期に無かった、BとDが入れ替わった、とか。

 ・まだ減らせる。何を捨てられるだろう。一つ増えるごとに現世との結びつきが強くなり、一つ手放すごとに存在が宙に浮きあがる。

 

 

 ・NiteFfyte「You Are」をやけに聴いていた。CP80らしきピアノがすごく好き。電気ピアノのCPのシャキっとしたアタックと、冷たくてほどほどにつやがある音ってもう本当に大好き。フュージョンだけを例にとってもSHAKATAK「NIGHT BIRDS」、ザ・スクエア「宝島」、KANGAROO「GEMINI」などなどなど数多くの歴史的名曲のなかで確かな存在感をきらめかせている。

 ・今月のパワープレイ。Milk Talk & Vantage「Million Mikes Away」、それからゲームRidge RacerのBGM「Rotterdam Nation」、SOFT BALLETのアルバム『EARTH BORN』、など。

 

 

 

 ・今月の印象的なツイート。