2022年7月のつぶやき

 

 ・「小処不滲漏、暗中不欺隠、末路不怠荒。纔是個真正英雄。(些細なことだからといって手ぬかりをしない。人が見ていないからといって罪を犯さない。不遇な状況におかれても投げやりにならない。これだけのことができれば、それでもう立派な人物だ。)」

 一度に一つ、できることしかできないので一つずつこなしていくしかない。投げやりにならない!!!!

 

 ・通信障害が発生し、スマホが電波を拾わなくなった。音楽が聴けて写真が撮れる小さいディスプレイに成り下がった。しかし不思議と心地がよかった。携帯電話なんて本当は要らないんだと思う。予期せぬデジタルデトックスだった。

 

 ・元首相が撃たれたというニュース。現代日本でこんなことあるんだな。あの政党はどうだとかあの政治家はどうだとか、まあ個々人それぞれ思うところはあるし、その意見が異なる個々人が集まって国が出来てるわけだけど殺すのは禁じ手だよな。それやっちゃうとなんでもありになっちゃう。とはいっても政治のミスによって死んでいく、つまり政治家によって殺されている国民は大勢いるのだから、逆に政治家が国民から殺されることもまあ、あるだろう。政治家は失敗したら殺されるぐらいの覚悟と気概をもって仕事しないとけない。人の命を預かるっていうのはそういうことではないのか。

 元首相が撃たれて社会の雰囲気がガラッと動いた。普段暴力による革命がどうとか言ってる奴らは情けなくないんだろうか。何かやってる風の仲良しクラブしてる人間がいて、彼らは口先だけは立派なものの何にもしないから社会に影響力がない。一方で、思想も信念も持たない無敵の人が単独で社会の空気を強制換気する。

 

 ・どこででも読めるようにと『ヨコハマ買い出し紀行』のkindle版を今さらながら購入。紙の本と違って暗いところでも読めることに気づく。スマホで読めることで読書体験はいよいよ時と場所を選ばなくなった。好きなタイミングで作品に没入出来るのが楽しみ。風が吹く草原で読んでもいいし海辺で読んでもいい。サントラ(ショーロクラブの方)もスマホに入っているのでもう万全だ。おうち時間の質もチェアリングの質も格段に高まるはず。

 

 ・豆だたみを買った。A4ぐらいのサイズの畳だ。座ってもいいし、何かを飾ってもいい。実は小さい畳が家にくるのはこれで初めてではなかった、貰ってきたものをずっと前に捨ててしまったことがあるのだ。自分を責めても仕方ないのでやめにする。お香立て、一輪挿し、御札など置きたいものはいくつかある。

 ・鞠を枕にして横になって寝ているネコ、のお香立てを買った。ここしばらくずっとお香立てを探していたのでひと段落。このマイペースで抜けていそうなネコは昼寝(「昼寝」と書いたのは、それが夜の睡眠ではなさそうという意味でだ。しかしネコは夜行性だから昼寝しかしないような気もするが分からない)をしているのだな、と瞬間的に解した。気に入った。

 

 ・ブルボンの「キュービィロップ」が売られているのを見た。驚いた。まだ売ってたのか。思わず二袋ほど買う。

www.bourbon.co.jp

 

 ・祖母に会いに行った。凪いだ湾内、3両編成の特急、閑散とした町。確実に衰退しているはずの土地であっても晴れた休日だとただ昼寝しているだけのようにも見える。

 

 

 ・逗留のお供にはハードリカーを用意するのが作法である気がして近所のやや高級スーパーにもとめた。ストロワヤ、クバンスカヤ、リモンナヤ、ペルツォフカ……やけに品ぞろえがよくて嬉しいおどろきがあった。アルコールはたぶん世界中のどこにいても金さえ出せば買えて、いつでも人間のそばにいてくれる。ウォッカは常に氷点下の世界に匿わなくてはならないものの、それでもウイスキーやジンより私の身体に優しく染み込んで何も傷つけずに消えていく。

 

 ・4時ごろに目を覚ました。窓の外には見知らぬ風景が置かれていて、はっとした。まるで旅行先のビジネスホテルから見たようなよそよそしさ。朝を迎える準備が整った無機質な空の色、建物たちは言葉が通じなさそうでいて、音はほとんど聞こえてこなかった。誰も使わない清潔なプールに湛えられた清潔な水のような静謐さが外界を満たしていた。こういう風な違和感をこそ記録す(あるいはしようとつとめる)べきであることはカメラも知っているようだった。頭の中で坂本龍一の『COMPUTE,COMPUTE,COMPUTE』が流れた。はじめに提示されるフレーズは「今は非常に静かな時です」と音で以て伝えているように感じられる。