本塔

 

 モノ買わないぞ!!の掟には例外があって。それは書籍とCD。これらはいくら買ってもよいことにしている。「とりあえず買ってみる」を許すことにしている。

 本とCDは何かをするために使う道具ではないから取り換えがきかない。この本を買ったからもうこの本は要らないねという置き換えはまず起こらない。何かの資料はまた別だけどね。

 本棚がひとつしかない。本の方はその貯蔵量をはるかに超えているから、そこらへんに置かれることになる。僕の部屋には本で出来た塔、通称「本塔」がいくつも形成されている。縦に積まれた書籍はそのタイトルが地面と平行に並ぶ。こうなると本棚に置かれている状態とは意識が変わってくる。ちなみに本塔は地震の時に暴れたりする。その場合僕は、湖に棲む龍神さまの怒りを鎮めようとする村の古老の真似をすることにしている。

 いつかこのページの文章も本になったらいいのに。B6版で縦書きになるとまた味わいも変わってくるんだろうな。インターネットのページは端末によって改行箇所が変わる。いつもそれが気持ち悪くて。自分のパソコンではいい感じだなと思うけど、他の人が見るとガタガタになってたりするんだろうなと悲しくなる。本ではそういうことは起こらない。いいよな。書籍は自由だ。電波入らなくても読めるし食べられるし。