20220205 シンプルであることの潔さ

 

 極限まで引き算がされた結果って、質素で高潔だ。無駄が多い人間だからかそういうのに弱い。「縛りがあるからこそ自由になれる」みたいなこともよく思ってる。

 DSオートモービルズ *1 って自動車ブランドがあって。シトロエンのレクサスみたいな位置づけなんだけど。日本では2車種しかラインナップがない。フルラインナップでもSUVが大中小3種とセダンが1車種。すごくないですか。例えばトヨタだと40車種以上ある。

 日本だと2車種だけ。UXとNXしか売ってないレクサスみたいなもんだよ。けど本来はどのメーカーもそんなもんでいいのかもしれない、と錯覚してしまう。

 ラインナップの少なさがプラスの印象に働いてる、ってパターンで真っ先に思い出すのが、あるたこ焼き屋さん(ずっと閉まってるからもうお店やめちゃったのかもしれない)。メニューはたこ焼きとビールだけ。それだけ。それで長年お客さんが絶えないんだしすごいよね。ここでしか食べられない!ってほど特徴的な味って訳でもないんだよ。強いて言うなら立地と雰囲気が良いのかもしれない。その店独特の雰囲気があって、話せば大体の人に「ああ、あの店ね」と伝わるアイデンティティがある。

 自分がお店やったら、あせったり世におもねったりしてメニューを増やしてしまいそうになるけど、本来はそんなもんでいいのかもしれない。店で出すもの以外の「売り」は持つべきなんだろうけど。やりたいよ、そういう硬派な食べ物屋さん……