・前置き
タフネス携帯というカテゴリがある。防水防塵耐衝撃性能が備わった端末群である。防水機能は今やそれほど珍しいものではないが、そんなことない頃はひとつの売りだったわけである。そのタフネス携帯の代表格がCASIOのG'zOne(ジーズワン)シリーズだ。
G-SHOCKケータイの愛称でも知られたG'zOneは数多くの映像作品にもチラリと登場し *1、なんかミリタリーっぽい雰囲気のゴツい携帯として広く薄く認知されていたと思う。昔のガラケーは本当に個性豊かで楽しかったよね。丸いのとか四角いのとか変な角度で曲がるやつとか。
名門G'zOneは過酷な環境で働く人遊ぶ人の相棒として長年愛されてきた。これがラインナップにあるからauと契約しているというユーザーも多かったはずだ。ところが色々あって *2 CASIOは携帯電話製造を終えてしまう…………
・TORQUEのこと
そのCAISIOのG'zOneの後釜に収まったのが京セラのTORQUE(トルク)である。京セラと言えばハーフカメラ「SAMURAI」でお馴染みの、日本を代表する電気機器メーカーだ。本社ビルがクリスマスツリーっぽく光ることでも知られている。私はG'zに思い入れがあったこともあり、どうもTORQUEを好意的に思えなかった。2017年のTORQUE X01が2010年のG’zOne TYPE-Xに酷似していたり(両者はウルトラマンダイナとニセウルトラマンダイナぐらい似ていた)、なんかうさんくさいなあと感じていた。携帯電話関係のスタッフがCASIOから京セラに移籍したみたいな話も聞かなかった。そんな私の白眼視を尻目にTORQUEシリーズは6代を数えるまでになった。
G’zOne TYPE-X。デザインアイコンである丸いベゼルが復活し、タフネスガラケー界は熱狂のうずに包まれた。
http://k-tai.casio.jp/products/type-x/top.html より
TORQUE X01。最強ってのはこいつが勝手に言ってるだけです。男子小学生のノリです。
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/lineup/x01/ より
当時の記事をいくつか……
・TORQUE G04のこと
で、去年、私、TORQUE G04に機種変更しました。かなり上下に対称なデザインで、画面つけたら天地反対に持ってたってことがちょいちょいあるけど、ほどほどにゴツくて手に馴染む。悪くないかも!とはじめのうちは思っていた。
ところがなんとこのTORQUE G04、驚くほどゴミ端末だったのだ!
(この一文は『世界まる見え!』のナレーションっぽく音読していただきたい)
アメリカ・コネチカット州……(中略)……オペレーター「お母さん、落ち着いてください」……(中略)……オペレーター「彼女はひどく動揺していました(回顧)」……(中略)……一か月後……そこには元気になった京セラの姿が……!京セラ「二度とゴミを作ったりしないよ(反省)」
TORQUE G04はこんな見た目。デザインはイイ感じ。デカい割りに薄くてカッコいい。
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/lineup/g04/ より
さて本題。このTORQUE G04のどこがひどいかってのを今から列挙していきます。関係者は正座して聞け!!!!購入検討者は今すぐ候補から外せ!!!!私は大変怒っています。「TORQUE G04のここがすごい!」、イラついた順に紹介していきます。
その1.「浸水警報」の存在。TORQUE G04には本体内に水分を検知すると強制的に電源をシャットダウンしてくれるお節介機能が備わっている。この機能が頻繁に誤作動する。それがどうやら自分の熱でこの警報が発令されてしまうらしいのだ。バカ?特に夏場は全く乾いた環境にあっても、ことあるごと(音楽を聴きながら、GPSをオンの状態でGoogleマップに道案内してもらったりするともう熱を持つ)に浸水警報がビヨー!ビヨー!ビヨー!ビヨー!とガチの大音量で鳴動しつつ振動、そして電源が落ちる…………重要な電話をしてようが、文章を編集していようが、ゲームに熱中していようが関係ない。容赦もない。いきなり電源が落とされる。
でもご安心を。発売からわずか10か月足らずでアップデートにより解消されました。ちなみにお知らせページの文言も微妙に人の神経を逆なでしてくるもので……
https://www.au.com/information/notice_mobile/update/update-20200518-01/ より
その2.「撮った写真をTwitterにアップ出来ない」。書いてる通りです。プリインストールのカメラアプリを起動し、撮影。次にTwitterを開いてツイート投稿画面から画像一覧を見る。さっき撮った写真はサムネイルが真っ暗……撮って、一旦再起動すれば投稿できます。これもアップデートで改善されました。
その3.「電池持ちがひどい」。なんと丸1日持たない!!!もう令和だぞ!?怒りを通り越してなんか懐かしくなるよね。auがアドバタイズメントにレディ・ガガを酷使していた時代の、Android黎明期を髣髴とさせるクソザコ持久力。未だに改善されてません。バッテリーセーバーをオンにしても意味なし。Android 10が酷いOSだってのも関係してるかもしれないので100%TORQUEが悪いわけではない。と思いたい…………
その4.「バンパーが剥がれてくる」。TORQUE G04のゴミっぷりを象徴する不具合。衝撃吸収の為、本体四隅にラバー系のパーツがあしらわれているのだが接着が弱いのかペロリと剥がれてくる。 タフネスとは一体……?外部要因で壊れるならまだしも勝手に自壊していくのは自称高耐久スマホとしてどうなんですかね…………
これもソフトウェアアップデートで改善……されるか!!購入後1年以内にauのお店に持って行けば初期不良対応してくれる。
その5.「カメラのシャッターが切れない。切れても保存されない」。純正のカメラアプリは書き込みに難があるのか当たり前のことが当たり前に出来ない。シャッターボタンをタップしようが物理キーを押そうが、音声認識をオンにして「はい、チーズ!」と叫ぼうが、微動だにしない。カメラアプリでは写真が撮影出来る、という固定観念を捨てて、「全画面で目の前の景色を見るモード」として楽しもう。運が良ければシャッターが切れるかもしれない。もっと運が良かったら画像が保存される。これも未だに改善されてません。
………いかがでしたか?まだまだあるので思い出したら追加します。この記事は決してネガキャンではありません。そして私は京セラのアンチでもありません。が……このTORQUE G04のおかげで京セラ嫌いになりましたね。更新がすっかり止まったTORQUE公式Instagramページ( https://www.instagram.com/torquekyocera/ )に「TORQUEサイコー!」「レジャーにはこれですね!」「金返せ」「手をついて謝れ」「どう責任取ってくれるんだ」「稲盛和夫の謝罪ヌードはまだか(稲森いずみでも可)」などと応援コメントを書き込みに行こうと思います…………
・さいごに
3か月ほど前。産廃スマホを8万円の分割払いで買った私に飛び込んできた驚きのニュースを共有して終わりたい。
犯罪者の皆さん、チャンスです!!!!!!