何気ない一言に気付かされること

 

 深く考えること(人)とあんまり考え込まないこと(人)。どっちが偉いとかではないんだけど。自分はどっちかというと色々ごちゃごちゃ考え込んでしまうタイプで、あんまり考えない人に助けられることがある。時々あったし、これからもあると思う。

 「考えてもしょうがないじゃん」みたいなノリの人がポンと放った言葉によって、光がさっと射すような気がしたり、道がぱっと開けたような気がする。救われるっていうとかなり大げさだけど、でも方向は同じ。

 言った相手は説得する気も議論を深める気も、何の気も無くて、率直な感想を(ある意味無責任に。そして詳しい状況を知らないからこそ普遍性のあることを)ぽろっと言っただけ。でもそういう何気ない言葉にこそ、言った人の人生観や哲学が色濃く出るものだと思う。そして、真実や真相というものは実は案外シンプルで分かりやすいものなのかもしれない。

 

 「もやもや考えてしまう男がもやもや考えてない女性に救われる」類型で、真っ先に挙げたいのが、この話。


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 アニメーターの庵野秀明が会ったこともない顔も知らない他人と電話をする。彼が手がけていた『エヴァンゲリオン』について、自分が監督と明かすことなく、話し相手が監督だと知らない相手と話す。他人だからこそ吐露できる心情がある。

 私はこの動画が好きで、時折観たくなる。やらせだって話もあるけどフィクションにしても物語として良いし、やっぱり好きだ。
 二人目のお姉さんとの会話の中で庵野秀明が、「いい言葉だよな、今のな」とか「いやあ、今の言葉はよかったなあ ありがとう」「なんか、今日ここに来て良かったと思います」とかって言うんだけど、私も同じ気持ちになることがある。