・復活
「キャスター・プレミアム・バニラ・5・ボックス」が発売されたのが今年の4月、それを知ったのは2月。手に入れたのは5月だったか。地域限定らしいけど近くのタバコ屋で買えた。
私が嬉しかったのはこれが「ウィンストン・キャスター・プレミアム・～」ではなくて「キャスター・プレミアム・～」だったこと！限定的とはいえ、中身は別物とはいえ名門が復活したこと。トヨタのスープラが復活した！みたいな。ちょっと違うか。なんにしても商品名とか看板って大切な要素だよね。
・キャスターマイルドについて
かつてキャスター（キャスターマイルド）は非喫煙者にも評判がいい……もとい他の銘柄ほどは嫌われないタバコとして知られていた［誰によって？］［要出典］（筆者体感）。喫煙者なら誰もがその甘い副流煙だけでキャスターだと分かったものである。それがいつの間にかウィンストンファミリーに入ってしまって、パッケージデザインも変わってしまった。JTはデザイン変えたけど味は変わってないよ～って当時言ってて、今でも時々言うことあるけど、私はあれは絶対に嘘だと思っている。昔の方がうまかった。もう一度同じこと言うけど、キャスターマイルドの方がうまかった。
ウィンストンキャスターホワイトと看板を替えたあともキャスターは軟派なタバコであり続けている。苦味や酸味が少なく、女性や初心者におすすめされることも多い。優男の私にもぴったり。しかし決して勘違いしてほしくないのだがその吸いやすさは、低タールタバコにみられるような空気が多分に含まれた「薄さ」ではなく、煙がスムースに入ってくる——例えるなら軟水のような——「軽さ」によるものだ。私の中でよくキャスターと比較されるピースにはここまでのスムースさは無い。キャスターは吸ったあと口の中や喉にエグみが残ることもない。
追記：訂正があります。この記事をアップしたあとに久しぶりにウィンストン・キャスター・ホワイト・5を吸ってみた。どうやらこの銘柄は吸う度にひどくなっているらしい。箱をあけるとタバコ葉の香り、酸味、かすかにホームセンターの材木売り場。タバコに火をつけると水でめちゃめちゃ薄めた麦茶に豆乳を少し加えたようなフレーバー。バニラの香りは全く感じられない。全くだ。キャスターを名乗っている以上どうしても頭の中にあるキャスターマイルドや本題のプレミアムバニラと比べてしまうが、それらと比べて優れている点がない（強いてあげるなら臭いの残りにくさだろうか）。上の段落の言葉で説明するなら「薄い」。味も煙も薄く、吸った感もない。タールもニコチンも表記より少なく感じられる。この銘柄をこのまま販売を続けることは、キャスターというブランドに泥を塗り続けることだと思う。間違っても買わない方がいい。
・本題。キャスタープレミアムバニラについて
JTのプレスリリース*1にはウィンストン・キャスターの特徴「ほのかな甘みとバニラの香り、まろやかな吸い心地」を最大限に引き出した、とある。
実際に体験してみると甘さはほのかどころではないレベルにまで高められている。箱をあけた瞬間からあまったるい。吸い口にも甘味*2がつけられているので、くわえた時点で糖分が感じられる。少し頭をよぎるのは安いドライシガーに添加されがちな人工的ケミカル甘み。ピースやパーラメント、アーク・ロイヤルの甘さ*3がミルクだとするとこれは練乳。それから、日焼け止めの匂い、ビーチの匂い、「ドンキで売ってるココナツの香りの何か」の匂い、プッチンプリンの匂い。この香気はピースにも、ウィンストンキャスターにもない、キャスタープレミアムバニラ特有のものだ。
しかしこれらの濃厚で少しだけ複雑なフレーバーにクドさは無く、「まろやかな吸い心地」を引き立てる程度に留まっている。火をつけるとタバコらしい香ばしさ、燻された葉の味わいがしっかりと”立って”、甘ったるさを引き締める。とはいうものの煙は重たくないし、これをきついタバコだと感じる人はいないだろう*4。バランスがよくとれていると思う。ひと口ふた口で満足出来るわけではないけど、一本吸いきると吸った感を得られる。
かつてのキャスター・マイルドのキャッチコピー「やわらかなうまさ、軽さが心地いい」は忠実に守られているのではないだろうか。私が思うキャスターらしさはちゃんと感じられた。安心。あとはこれを全国で売るだけですよ、JTさん！
*1:～ やがて甘さが満ちてくる。 ～ 「キャスター・プレミアム・バニラ・5・ボックス」 4月2日よりCLUB JTオンラインショップ及び茨城県限定で発売 | JTウェブサイト
*2:バニラのほろ苦さと紙の味も微かに感じられる
*3:この3つだってそんなに甘さが前に出てくる銘柄ではないけどね。あくまで感じはするレベル
*4:繰り返しになるが薄いわけでは決してない！
