キャラもの暗澹談

 

 捨てる前提の包装にキャラクターをプリントするのやめてほしい。捨てらんないから。例え中身はキャラものであっても無地にしてくれ(無地には基本的に人格がないので)。キャラクターがプリントされてる包装紙は捨てるのに、そのなかに入ってるキャラクターのノートだったりシールだったりの紙製品は捨てないのはなんでだよ。何が違うんだ?ええ?言ってみろよ。どっちに人格があるんだよ。人格は。

 

 避妊具のパッケージにリラックマ採用しようって最初に言い出した奴、お前サイコパスか??リラックマコリラックマが美味しそうにホットケーキ食べてる絵柄のやつだよ。人間の生々しい営みと隣り合わせにするんじゃないよ。温かい血流れてんのか?あれ視界に入っちゃう度にウッてなるんだよ。キャラクターが抵抗できないことをいいことにやりたいようにやりやがって……
 若者が購入する抵抗を減らすためだって聞いたことがあるけど、コンドームひとつ買うのに抵抗あるならそもそもセックスなんかするな、桟橋の手すりを舐めて塩分でも補給してろボケ。もっとグロテスクなものが1人1つ身体に備わってんだぞ、足の付け根の陰になってるところによ、忘れてんのか。そこんとこ。一生ついて回るんだぞ。一生だぞ、死ぬまでだぞ。

 

 老人ホームに入ってる親族を見舞ったとき、ベッドサイドに置いてあった、ふりかけの個包装にプリントされてるリラックマと目が合って泣きそうになったことある。一度に全部使えないからって口を折り返して置いてあったんだけど。家族とか友人に話しても共感されたり、心情を慮ったりされないだろうと——何より自分自身がその時に生じた感情をしっくりくるニュアンスで言語化出来ないから——誰にも言ったことなかったけど、ここに書くわ。その状況も全てひっくるめて無理に簡単な言葉にするなら「虚無感」だよ。暗澹たる心持ちだ。

 

 こういう、日常の、共有出来ない虚無(言葉にしにくい、無力感とか悲しみとか一抹のノスタルジーだったりセンチメンタルやらが混ざり合った感情)が少しずつ少しずつ降り積もって溜まり込んで、鬱屈が自分の精神やあるいは存在の一部として定着していくんだよなあ。救済(すく)われたい…………

 

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