年度末所感2019

 

 これはいつも言っていることだけど。1年365日の体感尺が加齢と共に短くなっていくの法則は私の人生には当てはまらないようだ(少なくとも今のところは)。ちなみにこれは「ジャネーの法則」という。月日があっという間に「じゃね~!」と過ぎていってしまうことから命名された。全然おもしろくないぞ。

 2019年度は、「モノと私の関係性(モノ観)」についての思索が更に掘り下げられて発展して、実践も混ざって更にブラッシュアップされる期間だった。そもそも「モノと私の関係性」に着目したのは確か2017年頃だった。ひとの遺品を整理する機会が何度かあった時期だ。"人が暮らす"その一見シンプルな営みがいかに多くの物品によって支えられて、護られているかということを思い知らされた。生活の核である人間が喪われた途端、その周りを固めていた物品はまだ生きている人たちの課題になってしまうということも。自分の遺品を整理する人はいないのだからと終活を始めた。(そう。居ない。実は私は巨大な不幸を背負っている。それは遺したありとあらゆるあれこれ、未現像ネガや書きかけの文章、作りかけの音楽やアイデアなどを成仏させてくれる人が一切いないことである。一切だ。安心して死ねないというか、残したものがすべからくゴミになるということが分かりきっているのだ)

 平常の意識状態だと情が優位になってしまうから、睡眠を抜いたり化学物質を入れたり意識状態を多少凸凹な感じに持ち込んでから行われた断捨離もあった。部屋から消え去ってしまえばほとんどの物は思い出として美しく昇華される。その甲斐もあり明らかに要らないものは一掃され、「使わないことはないけど……」「愛着があるけれど……」というモノを捨てるフェーズに移行した。これからがもう一段のがんばりどころ。人からすればバカバカしくて笑っちゃうような力点だろうが私当人は至って真剣そのものである。しかし何度も書くように本とCDは例外。何ページあろうと綴じられていれば1冊と数えるように、本はひと塊で「本!」とカウントする。100冊が101冊になろうと200冊になろうと気にしない。CDも同様。

 捨てれば捨てるほど身軽になりあの世へと近づいている感触がある。反対に、買えば買うほどまるで現世との接着が強固になっていくようだ。海の中、あるいは中空で三進二退の上下動を続けている感覚。

 

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 1年前の私に会ったら言いたいこと:ごめんなさい。生きることに意味はないと頭では分かっていても自殺できなかったです。面白いこととかワクワクすることがちょいちょい起こる環境の方が悪い。これは環境が悪い。「これまでで一番楽しい一年」がまたもや更新されてしまいまして……