無音の写真

 

 2018年の年末に行きそびれた場所があって、別になんてことはないところなんだけど。前々からなんとなく気になる土地ではあった。2019年になってやっとそこへ行く機会を得た。カメラを持ってふらふら歩いていた。例によって着く頃には太陽が傾きかけていた。イイ感じに水が溜まったところがあったのでそればかり撮った。僕はイイ感じに水が多めに溜まっているところが大好きなのだ。望遠マクロレンズで傍観察した。時代と場所を越える目だ。家に帰ってディスプレイで見ると写真にはどれも音がないことに気付いた。そのときに今年は音がしない写真を撮ればいいのだと直感した。無音で無風、凪いだ写真を。手触りがつるりとして少しひんやりとした写真を。

 

f:id:artexhibikion:20190113023219j:plain