カメラ買っちゃった

 

 ・勢いでEOS R6 mark2を買ってしまった。キャッシュバックキャンペーンやってたんだもん。それに普段がんばってるしご褒美。

 ずっと5Dシリーズを愛用していたので正直なところEOSの「6」には抵抗があった。格下げ感、都落ち感がある。右肩にサブディスプレーではなくモードダイヤルがあるのもすごく不満だ。

 うちの5Dはいつなんどきいかなる時でも確実に動作するのだ。100回電源を入れたら100回つくし、10000回シャッターを切ったら10000回画像が記録される。色んな所に連れて行って酷使したけどびくともしなかった。何度かゴロンゴロン落としたけどへっちゃらだったし、水たまりがあっという間に湖になるような土砂降りでビッショビショになっても乾かし切ればまた動き出した。そんなプロユースカメラとしての確実性をR6 mark2が備えているか心配ではある。

 だけど、だからといってEOS Rの「5」を買う気にもなれなかった。あまりにも値段が高すぎるうえに4年落ちのカメラを今さら新品で*1買うのは時代に追い付いていなさすぎる。mark2を待って出た途端買うほど時代の先頭を走りたいわけでもない。握り心地や操作感でいくとR5はすごくしっくり来たものの日常使いに4500万画素はややヘヴィーだ。バキバキに解像するレンズだけを使うわけではないし、どうでもいいものを撮る時に躊躇してしまう(これも貧乏性の一種なのかもしれない)。

 「7」のブランドには親しみがあったものの持ってるレンズの画角が変わってしまうのは困るので買わない。「8」と「RP」は私の持っていない小型バッテリーを使用するので候補外だった。RPのシャンパンゴールドツートンカラーはすごく良いと思ってはいたけれど。「6」と「7」の差も一眼レフの頃ほど無いようだったから「6」mark2に決めた。*2 「5」ほどではないにしろ「6」mark2にも剛性感、機械がぎゅっと詰まっている感、道具感は漂っていた。メモリーカードスロットのフタが泣けるぐらいチャチいけどね。ここだけはマジでもう少しどうにかならなかったのか。消費者を小バカにしてんのか。

 

 ・これからはイオス中級機の軽快さも楽しんでいこうと思っている。業務機然とした5Dを構える時やはりどことなく肩に力が入っていた。一眼レフのシリアスさ堅苦しさも加わって文字通り構えて撮っていた。意図せずドキュメンタリーのいで立ちだった。カメラを向けられた相手も大きな黒い機械の塊を前に多少身構えていることもあった。けどR6だともっとラフに、楽しく、にこやかに撮れるような気がする。ストラップもグリーンとかオレンジとか明るい色のカワイイものを付けたい、付けることもやぶさかではない。首から下げてみぞおちのあたりでぷらんぷらんさせていてもいいカメラだと感じる。大仰なフルサイズ一眼デジタルカメラであるところの5Dを首から下げてみぞおちのあたりでぷらんぷらんさせている時、私はそこはかとなくマヌケだった。

 

 ・イオス最初期のCMが好きだ。シルヴィ・バルタン「あなたのとりこ」が使われていて、ビクトリア・ブリナーがヨーロッパの街並みのなかを風のように撮影している。ワンハンドストラップがついたEOS 650を右手だけで構えて左手はポケットにつっこんだりしている。軽やかでスタイリッシュ。そんなふうに風景と触れ合いながら撮りたい。この気分を盛り上げてくれるのはR3やR5ではなく、もちろん1DXでもなく、R6やR8なのだと強く思う。

 

 ・今のデジタルEOSあるいはミラーレスEOSを、フィルムEOSのラインナップになぞらえてみるとどうだろう、という楽しい空想をたまにする。Rシステム誕生から今年で6年になるそうだ。EFシステムの誕生が1987年なのでその6年後というと1993年。その頃のEOSカメラは上級機にEOS-1、続いてEOS5、中級機にEOS10、EOS100、入門機にEOS 700、EOS1000というような顔ぶれだった。分かりやすくて気持ちがいい。

 EOS R6mark2はEOS10に近い立ち位置だと考えていた。EOS-1とEOS5、EOS100とEOS1000に挟まれていて、商業写真の現場ではサブカメラに使われるようなスタンダード機。もう少し後の時代でたとえるなら私の大好きなEOS55ぐらいのポジションなのではないだろうか。*3 とにかく、R6 mark2というカメラは状況次第ではメイン機になりうる、ほどよいミドル機種だということ。

 

 しばらくはアダプターとEF50mm F2.5 コンパクトマクロを着けてこまごまと撮っていきたい。何年かしたらRFレンズを買ってもいいかもしれない。RF28-70mm F2 LやRF24-105mm F2.8 Lなんかは大艦巨砲主義的でカッコいい憧れの的だけれど私とR6mark2の生活には相容れない。なんでも出来る万能アイテムは日常生活には不要なのだ。RF28mm F2.8やRF50mm F1.8などのコンパクトで気負わないレンズがいい。RF85mm F2 MACROもずっと気になっている。メモリーカードスロットのフタが泣けるぐらいチャチいけど、何年か人生を共に過ごしてみようと思っている。これからよろしくね。

 

 

*1:中古の選択肢は最初からない。

*2:EOS 6Dというとセンサーサイズが大きいだけのデクノボーだったのだ。シャッタースピードが1/4000までしかなかったことをはじめとして、センサー周り以外のほぼ全てが7Dに劣るものだった。キヤノンの「6」に対して未だにその頃のイメージを引きずっている訳である。それゆえR7を欲する気持ちも強かった

*3:55は5の直系の後継機にあたるのか、あるいは5から上下に3と55へ派生したのかとか、7は55より格が上なんじゃないかとか、このあたりの話を始めると本当に終わりがないのでやめておく。