「大判カメラがあれば中判カメラは要らない」というのは「丼鉢があるからお茶碗は要らない」というぐらい暴論なんだけど、じゃあ(24×36で撮れないとはいえ)ライカ判はどうなの(兼ねんの?)って思って試した。35ミリフィルムにブローニーアダプターをつけて、ロールフィルムホルダーに装填するわけです。
これがその35ブローニーアダプター。世の中には色んな道具があるんだね。ここに写ってるのはネガだけど実際はリバーサルを使いました。
[ここには35ミリフィルムと大判(シノゴ)カメラを並べた写真が入ります]
[ここには35ミリフィルムをロールフィルムバックに装填した様子の写真が入ります]
カメラのガタイ対撮像面積比を考えると、ああ本当におれはバカバカしいことをしているなあ……という気持ちにさせられる。
人間最後には死ぬのにな……いや、でもムダや遊びこそ人間臭さだろ、生まれて子ども作って死ぬだけならカマドウマにも出来るだろうが、と自分に言い聞かせて撮影に出発。
デカいカニを撮った。
本当は、撮影の様子、ピントグラスに写ってる像、ピントグラス内の67枠の画像、を掲載すべきなんだろうけど撮ってないからいいや。正直ここまでカメラを担いできた時点で既にうんざりしていた。36枚撮りの長さは67だと何枚撮れるのかも分かんなかったし天気も機嫌も悪かった。
撮った。結果がこれ。
巻いたまま返却してもらう。家で切る。サイズ問わずポジフィルムはいつまでも見ていられる(万華鏡や水槽と一緒だ)。窓に貼ってもいい。ラミネート加工して栞にしてもいい。プレゼントしてもいい。もちろん燃やしてもいい。湯船に浮かべてもいいし、米と一緒に炊いてもいい。我々は原則自由だ。
パーフォレーションにまで露光された大パノラマは何か横長の構図、例えば稜線とか水平線とか回転寿司のレーンとかを撮るのが定番なんだろうね。けどそれだけなら中判カメラでも出来るわけで。ここに大判カメラならではの要素つまりアオリを加えれば唯一無二の写真になりそう。っていう話をするとGX680を引き合いに出してくるオタクがいるよね。
フィルムのカーリングがとれてないから画像がうねってて分かりにくいけど(いい加減な人間でごめんなさい)、縦線が平行だということは分かってもらえるだろうか。線が上すぼまりになってない。フォトショでギュッてしなくても縦線がシャキっとしてる。これが気持ちよくて大判をやめられない。
結論。フォーマットごとにカメラは要る。