マツダ3日本発売おめでとう。西日本で乗る、いつもの走り。僕にとって新鮮みがないことが、成功の証だと思う。

 

 新型マツダ3について考える。記事タイトルに深い意味はありません。

 24日に「マツダ3」がついに発売された。しつこいようだけど車名はマツダ3で本当にいいのかしら。「マツダマツダ3」の字面には「ルノー・キャトル」みたいな美しさは感じられませんが……まあそれはそれとして。車格は初代アテンザとほぼほぼ同じになり、昔と比べると幅広く長くなって低くなった。

 見せてもらったんだけどとても良かった。画像でしか見てなかった頃は3代目アクセラと大して変わらないでしょーって思ってたけど実際に見るとかなり違う。これは欲しい。座らせてもらったけど内装の質も格段によくなっていた。3の内装が良くなった分、次の6(アテンザ)にはインパネにアナログ時計を埋め込むぐらいしないといけないのでは。あと腰を揉んでもらえたりするシートとか。ああいうのって絶対いらないよね。

 3代目アクセラには気に入らないポイントがいくつもあった。そのうちのひとつが中央ドリンクホルダーのシャッター。シフトレバーの後ろですね。説明しにくいけど履帯みたいなシャッターで。内外問わず他のメーカーにも採用されてるみたいなんだけど、なんか昔のお風呂のフタみたいで嫌いだった。新型マツダ3はお風呂シャッターが廃止されていた。いえーい。加点です。細かいトコなんだけどね……

 あとはナンバープレートがリアゲートについてるのも気にくわなかったんだけど、新型マツダ3ではリアバンパーに「戻って」いたのでこれも喜びポイントでした。他にも内装の進化点はまだまだあるんだけど割愛。隅々まで全部見られたわけでもないし。

 

 セダンかハッチバック(3ではファストバックと称するようになったが無視する)か、という究極の選択。若者だったらそりゃハッチバックでしょ、と思ってた。でも新型マツダ3はセダンが良い。あのね、新型マツダ3は、セダンがね、良いんですよ。

 ハッチとセダンで大きく異なる、サイドウィンドウモール(窓を縁取る銀のライン)の違いに注目する。ハッチは前から後ろに窓の下を通って、そのまま後方上に跳ね上がって、最後に上斜め前方にクイッと切れ込んで終わる。んだけど、最後の2線分にどうも脈絡のなさを感じてしまうのだ。最後にクイッてした線はどこに繋がっててどこに行くのか、インダストリアルデザイン素人の僕にはさっぱり分からん。

 一方セダンは前から後ろに窓の上に沿っていて、最後に下斜め前方に切れ込んで終わる。この、くいーってなってきゅってなるラインに見覚えがありませんか。そう。これは初代アクセラセダンのそれなのだ。そして最後にきゅってなったラインはそのままリアのドアエッジに繋がっている。これが、これこそがマツダ3セダンの美しさ!

 もちろんハッチもよかったよ。マツダハッチバックはお尻が命。新型のリアは初代アクセラにひけをとらない美プリケツだった。お尻好きでも安心して買える。現3代目アクセラは前から順番に予算とやる気を使っていったのか?(後ろの方はデザインするの飽きて疲れちゃった?)と言いたくなるようなやっつけお尻だった。機嫌が悪いデブ蛙みたいだった。好きな人ごめんなさい。

 いやーでもマツダ3はセダンだわ。けどセダンには用意されていない選択肢が多々あって。MTもその一つだし、「ポリメタルグレーメタリック」カラーもそう。ハッチバックより少し上の年齢層がターゲットなんだろうな。確かにアクセラセダンのMTなんてそれこそ教習車ぐらい……

 

 心配なのはどんどん窓が細くなっていることで、この調子でいけば10年後には昔の戦車みたいに一本のスリットが入っているだけになるのではなかろうか。目も細くなっているので、このままいけばただの横線になるのでは。後部座席に座る人の人権も時代がくだるにつれ失われてきているので(デミオがその最たる例)、やがてプジョー206CCみたいな地獄シートになりそう。冗談だけどね半分は。デザインはなんとなく、行き詰まり、とまではいかないものの倦怠期にある気がしてマツダを応援する者としては少しだけ心配。新型マツダ3の登場で吹き飛んだ部分もあるけど。

 やっぱりマツダにはあやうさを感じることがある。あれやってみて、これやってみてって。ブレてる気がする。ファストバックとかも急に言い出したし。僕はこれからもずっとアクセラスポーツって呼び続けてやるから。ただただ変えずにずっと続ければいいの。歴史の重みと説得力はやっぱり時間をかけることによってしか得られないの。メーカーが滅びるまで5角形グリルを大切にするの。

 今日のところはそんなとこです。

 

 うへーカッコいい。カタログも貰っちゃった。デザインするうえでボディの反射、うつりこみにもかなり気を使ったようで、写真撮る時には周りの風景に気を払わないといけない。これはみっちり撮るの楽しいだろうな。この美しい構造体が静かにどっしり在る周りを、マクロレンズを持ってくるくる走り回りたい。

f:id:artexhibikion:20190525232555j:plain