「行くぜ、東北。」とミニマルフォト

 

 2011年にはじまったらしいJR東日本「 行くぜ、東北。」 キャンペーン。ディーゼルカーを主題にして撮られた写真のいくつかがミニマルフォトの技法で撮られている。

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 グラフィカルだ。空にグラデーションが出ているカットもあるが基本的には光が均一に当たっていて、明部と暗部のコントラストがくっきりついている。見ていて気持ちがいい。下から撮った(あおった)カットでも縦の線にパースがつくこともなく平行に揃っている。私はカメラをあおったときに上にすぼまるのが嫌いで、だからビューカメラが好きで、ミニマルフォトに置いても横の線を平行にすることと同じぐらい縦の線を平行にすることが重要だと考えている。

 このイメージは線路の周りに何もない路線/土地だから出来ることで、そして作成して説得力が生まれるデザインだろう。フォトショで邪魔なものを消すにも限度があるし、電線が不可欠な電車が走っている土地で撮ったらこういう写真は成立しない。よくある風景写真と違って「ここ!」という撮影地でなくても似た写真が撮れそうだという性質は私の言葉で説明すると「風景に普遍性がある」。

 似た写真を今後発表していくとき、「行くぜ、東北。」のロゴを入れなかったとしても同じシリーズだということは分かるはずだ。ミニマルフォトの記名性と言える。記名的ミニマルフォトと呼んでいいかもしれない。別の人が素晴らしく簡潔に説明した言葉を借りるなら「シンプルフォト」だ。

 

 

 参考資料。

adv.asahi.com

 

mag.sendenkaigi.com

 

dentsu-ho.com