『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』観て思ったこと


 観てきたけど良かった。小中とガンダムにドハマりしていたのでガンダム熱が冷めていても観に行ってしまうし、観たらやっぱり多少はテンション上がっちゃう。劇場でガンダムみるのは『UC』以来なので5,6年ぶり?ちなみにその前は『新訳Z』でした。ちょいちょい行ってんじゃねえか。

 カメラワークや構図、構成が実写的というか、あんまりアニメアニメしてなかったのが良かった。出撃してきたガンダムがカメラに向けて決めポーズしなかったり、戦闘中のカットインがほとんどなかったり。これまでのガンダムではよく見られた演出が無かったのが印象的で、アニメ臭くない。いい意味でガンダムっぽくない。

 映画のつくり自体も質が高かったと感じた。原作小説を割りと忠実になぞりつつも、展開をスムーズにするためのアレンジがほどこされていて、物語が自然に入ってくる。原作では濃度100%だった富野節も程よく薄められ整理されていて会話と意思疎通の流れも掴みやすくなっていた。原作は地の文まで富野文体なのでクセが強くてすんなり読み進めにくいところもある。それがアニメ映画になると状況説明の伝わりやすさが格段に上がる。

 ギギ子みたいな関わったら人生めちゃめちゃになる女が好き。そういう人に限って美人だったりするからタチが悪い。私は自分の力で自分の人生を台無しにする勇気がないのでギギ子みたいな天使みたいな悪魔に破滅まで手を引いて欲しい。し、奈落の淵で背中をとん、と押してほしい。

 映画が終わった時点で3部作の1作目だということを思い出した。これから映画『閃光のハサウェイ』がどうなるのか分からないけど、(Zガンダム12話とかUCのepisode4みたいな)懐かしモビルスーツがワラワラ出てくる、「オタクはこういうのが嬉しいんだろ?」みたいな場面は入れないで欲しいなと強く思った。そういうシーンあればあるで興奮しちゃうんだろうけど。でも「いつまでドラッツェ使ってんねん」みたいなこと思いたくないからヤダ。

 映画館で売ってた、ステッカーブック「GUNDAM STICKER BOOK feat. UC NexT 0100」を見て笑った。アインラッドのシールがあったから。アインラッドのシールなんか今までに作られたことあったのかな。

 ガンダムとかよく知らないけど流行ってるし観に行ってみよう、という人が多いようで嬉しかった。これをキッカケに他のガンダムにも手を広げていけば、気に入るキャラクターやメカに出会えるかもしれない。「『ハサウェイ』で入った人が次に何を観るべきか」問題がガンダムオタク達の間で話し合われているが、当人が気になった順でいいと私は思う。好きな声優が出てたとか、このモビルスーツは知ってるからとか、話数が少なくて見やすそうとか、そんなノリで良い。大河ドラマだって幕末のやつ見た後に鎌倉時代のやつ見たりするじゃん。

 「ガンダム」というコンテンツのしがらみになっているのは、新規ファンに偉そうに講釈垂れる古参オタクである。彼らはさしずめ地球の重力にひかれた愚民なので粛清の対象になっている(誰の?)。『ハサウェイ』でガンダムを知った方は、ガンダムオタクどもの言葉には耳を貸さずに、自分自身のワクワクした気持ちに従って好き好きに楽しんでください。

 

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ギギ子。髪の作画に力はいりまくってます。