G-SHOCKの話。ここ最近の5900シリーズを振り返る。

 

 こちらが基本モデルのDW-5900。「過去の名機を現代に蘇らせたモデル」。2018年11月発売。ちなみにオリジナルのDW-5900Cは1992年発売らしい。誰もが知る5600や6900の影に隠れてマイナー感が否めないが、個人的にはそのどちらよりも好き。ちっちゃい文字がカワイイ。

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 DW-5900BB。2018年11月発売。BBシリーズ。真っ黒。

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 2020年にはN.HOOLYWOODコラボのDW-5900NH-1、翌2021年にDW-5900NH21がリリースされている。DW-5900NHはオールブラックで通常液晶、プロテクターが着いたモデル。DW-5900NH21はオールブラックにプロテクターの装いは変わらず3つ目にホワイトの縁取りと反転液晶が特徴的なモデルとなっている。

 

 DW-5900TS。2021年9月発売。知らないうちに販売終了していた。反転液晶。透明蛍光バージョン。このダサカッコよさが良いって人もいるかもしれない。-1JFが黒、-4JFがオレンジ。-1JFの方は未だに新品が売られているのを見かけることがある。

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 5900シリーズのラインナップは長らくこれぐらいしかなかったのだが2022年後半から新製品ラッシュが巻き起こることになる。

 

 DW-5900TD。2022年11月発売。Time distortionシリーズ。「時空の歪みをモアレで表現。異彩を放つ蛍光カラー。」

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 DW-5900WY。2022年12月発売。Wasted Youthコラボ。非反転液晶。

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 DW-5900JT。2023年5月発売。JOYTOPIAシリーズ。リステリンでしか見ないパープルスケルトンの色合いがグッド。

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 DW-5900FA。2023年5月発売。FACETASMコラボ。ゴールドの美錠がシック。

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 DW-5900EU。2023年9月発売。Euphoriaシリーズ。オレンジとシルバーの組み合わせは中々ない。因みにこのモデルから電池寿命が5年から10年に伸び、バックライトがLEDに進化している。

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 DW-5900MT。2023年12月発売。Mix Tape series。これが2024年1月時点で最新の5900となる。

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 次の5900が楽しみ。また、基本モデルDW-5900も近いうちにリニューアルするのではないだろうか。

2023年12月のつぶやき

 

 ・存在を半ば忘れるほど死蔵していたアブソルート ヴァニリアを減らし始めた。ウォッカらしいキレがありつつもわざとらしいほどにバニラフレーバー。香りは甘いのに味は甘くないフシギさが楽しい。飲みやすくてなかなかうまい。コーラで割るとコーラフロートぽい味になる。ごくごく飲める。そのうちメロンソーダで割ってみたい。

 やっぱりウォッカにも良い悪いがあるな。アブソルートは良い。身体に入るとわずかに筋肉をゆるませて、冬の外気にスッと抜けていく。

 

 ・Twitterで、ある作曲家が話題になっていた。上から目線の尊大な物言いによってだ。それらのツイートにはくせになる痛恥ずかしさがあって、当時のフォロワーと笑いのタネにした。

 と、いうのがほぼ10年前のこと。先月その作曲家が亡くなったらしい。訃報によって彼のことを思い出した。そしてからああやって笑いあっていたのが10年前だと知らされた。

 

 ・猫カフェに行った。雑居ビルの10帖ぐらいのスペースに結構な数の猫がいた。大学時代に顔を覚えられていた野良猫*1によく似た猫がいたので、私は始終そのそばにいた。彼は大人しく黙って撫でられていた。あまり目は合わなかった気がする。

 

 ・12月も崎谷健次郎のアルバム『DIFFERENCE』を隙があれば聞いていた。下旬は辛島美登里の「星空のクリスマス・パーティー」をヘビロテしていた。

 

 ・「ヨコハマ買い出し紀行 芦奈野ひとし画集」が復刊されると知った。これは嬉しい大ニュースだ。すぐに注文する。商品が届くまで力強く待つ。

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 ・『少年Aこの子を産んで』を数年ぶりに再読。少年Aの父親の手記が胸にのこった。少年Aの弟達のために思い切ってサッカーボールを買いに行く場面だ。以下引用。「誰かに会ったらどうしよう、と他人の眼を気にしながら何時間も歩き回り、やっとの思いでボール一個を買う」引用ここまで。父親の心境を想像するだけでつらくなる。言うまでもなく殺された子どもの親はその何万倍も苦しんでいるわけだが。

 自分自身がいつ少年Aになってもおかしくない子どもだったことを振り返りつつ、身内を加害者家族にしなくてよかったなあと改めて安堵した。自分の言動なり振る舞いが犯罪を起こした瞬間なり事実へと収斂あるいは結実していかなくてよかった。そういう文脈へと回収されていかなくてよかった。「あの子はおかしかった」「変な子だった」「暴力的だった」などと、薄い顔見知りが訳知り顔でインタビューに答えることがなくてよかった。

 いくつもの「もし」を潜り抜けて立派な善良市民へと成長した自分に乾杯したい。今きみは人生の大きな大きな舞台に立ったり立たなかったりしたりなんかしちゃってね。環境と全ての出会いに感謝。そして自分の我慢強さに手放しで称賛をおくりたい。今年2023年だってそう。誰一人殺すことなく終えることが出来た。ありがとうございました。

*1:私はその猫を体色にちなんで「厚揚げ」と呼んでいた

2023年11月のつぶやき

 

 ・2023年11月某日。急に寒くなった日。夜、無くなりかけのスタルカをひとくち飲んで野暮用で外に出る。珍しくくっきりと星が見えたので空気が澄んでいることが分かった。カツーンと冷えた夜気こそがウォッカにとっては最高のお膳立てなのかもしれない。青白い星がいくつか綺麗に見える、もうそれだけでいいような気がした。

 

 ・アニメ『葬送のフリーレン』を見ている。ヨコハマ買い出し紀行に近い匂いがあるという評判に釣られて見始めたがあまりそうは思わなかった。思わなかったがフリーレンはフリーレンで良いアニメだと感じた。良い出会いだった。人がヨコ買いに近いと云っているのは漫画の方なのかもしれない。そのうち読みたい。

 ・漫画の感想と感情を共有できないのってもどかしいんだなと改めて思った。人間は、ある程度は他者と関わりを持たないといけない、ように出来ているんだなあと。それから誰かに何かを語らせたくなる作品は質が高い作品なのだろうな、とか。

 それからしばらく色々考えたあとに、結局人と人は分かり合うことが出来ないなと改めて思った。自分と同じぐらい単純で同じぐらい繊細な奴なんかまず存在する訳がないのだから当然だ。

 

 ・少なくとも週に2回はショーロ・クラブのアルバム『ソングス』をかけている。夏の乾いた暑さのなかで「木陰の音楽」ないし「日陰の音楽」として通り去る涼しい風か冷たい紅茶のように耳に入れるのもよかったが、枯れ葉と高い空を目に入れつつ聴くものとしても大変に最良の音楽だと感じる。アコースティックギターなりコントラバスなりの「木の楽器」「木の音楽」は秋から冬にかけて聴くと本当に心地がいい。

 

 ・様々な腕時計に関するインターネット情報をサーフィンしたのち、手元に転がるDW-D5500BBを改めてじっと見つめる。時計としてこれ以上のものがあるだろうかと心の底から思う。四角い窓の左上に曜日、右上に月・日、下に時・分・秒。全てが必要で、そして無駄な表示はない。機能美とはこういうことを言うんだろう。必要なものを必要なものだけ揃えて、余計なものを含めなかった結果立ち現れる美しさ。

 

 ・新しく「場」が開かれた。新しい人々と出会っていくことになる。新しく腕時計が要ると思った。そこ用の。それは本当にバカバカしい考えだけど気持ちのスイッチとかラベルを切り替えるのには悪くないやり方なのかもしれない。

 

 ・「日本の市の人口順位」というWikipedia記事が好きで時々見ている。

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 何度も思ったことだけど京都府の一極集中っぷりは凄い。

 豊中市吹田市高槻市茨木市の安定感がステキ。ちなみにこのなかだと茨木市だけ人口が30万人を切っていて中核市ではない。東大阪市枚方市八尾市寝屋川市の。大阪府は人口がわりと分散していて素晴らしい。

 

 都道府県の一極集中ランキングを紹介している動画を見つけた。

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 ・ちょっとした旅に出た。2両編成の列車にも乗った。旅をしているなあと感じた。声の大きな老人たちが昔話をしていた。盗み聞きしたところによると、ある老人が子どもの頃には行商がいた。彼らは村を回る最後に、その、ある老人の家にやってくる。そしてその家で持ってきたお弁当を食べて、(休憩させてくれたお礼なのか)売れ残った海の幸なり山の幸なりを置いていってくれたらしい。

 ・思ったのは列車はせいぜい4両までだな、ということ。私に旅情を感じさせる範囲はそこまで。それ以上になるとただの輸送手段だ。例えば12両16両なんてのは私に言わせれば動く歩道の仲間。

 

 ・リサイクルショップでアナログのコンパクトカメラを買った。かなり久しぶりのことだ。デザインがかわいかったし動作しそうだから買った。わくわくしながら電池を入れてわくわくしながらフィルムを入れて。試写をした。ちゃんと写った。しばらく使ってみるつもり。写りは結構眠かった。ここへ更にホワイトミストのフィルターをあてがって光を飽和させてみても面白いかもしれない。

2023年11月の街森日記

 

 

 かなり久しぶりに起動した。木々が色づいていた。キノコが生えていた。

 

 

 家にもゴキブリが発生していた。

 

 

 それにしても「けもの道」システムって本当に良くない。曇り空もあいまって今日の村はひどく陰鬱に見える。

 

 

 長い間留守にしていたので心配された。村にはケータイの電波が入らないから連絡もとりようがない。通信手段は手紙と掲示板ぐらいなのだ。

 

 

 かくれんぼに誘われた。

 

 

 全員見つけたので「デカボクはにわ」を貰う。

 

 

 ロボの部屋。こういう部屋に住みたい。

 

 

 カギを釣ったり。

 

 

ここしばらくのカメラに関するつぶやき

 

 ・ホワイトミストというフィルターを買った。こっちに入ってくる光を拡散させて飽和させる効果がある。シリアスなシティスケープには向かないが、日常をインスタグラマーみたいに(乱暴な表現)切り取るにはぴったりだと感じた。コントラストが弱くなって描写がゆるくなる。ハードオフとかでよく買った、曇りかけてるレンズってこうだったよなって思った。しばらくはEF50mm F2.5という私が気に入っているレンズに着けっぱなしにする。オールドレンズ遊びごっこ

 

 

 ・ちょうど良いサイズのカメラがほしい。フルサイズ一眼レフでは大きいし重いし、コンパクトカメラでは小さい。コニカC35ぐらいの、キャノネットぐらいのサイズの。手でむんずと掴む大きさのカメラ。ストラップをつけて首から掛けて、小さいストロボをつけたりしたい。X100シリーズがよさそう。あるいはα7cに薄いレンズを付ける。今気づいたんだけどキヤノンのRFマウント機にはEVFが無い機種がないんだね。ファインダーは無い方が良いときがあるんだよなあ。

 ・NIKON Zマウントレンズの何か単焦点がやはり欲しくなった。50か85か、人物を撮るために。でも寄れないのは嫌だしなあ、かといってマクロレンズってのも違う、せっかくなら開放F2.8よりは明るい方が嬉しいから。やっぱり社外のフォクトレンダー65mm?いやでもMFレンズでポートレート撮るのはしんどいしなあ……とか。悩んでます。ズームレンズのみでZシステム人生を終える計画が破綻しそうになっている。

 ちなみにポートレート撮影以外で欲しい(というか今の私に必要な)レンズは14-30mmF4。

 

 

 ・INSTAX SQUARE SQ1というカメラを改めてちゃんと知った。廉価モデルらしいがすごく良いデザインだ。Terracotta Orangeという色が欲しい。ボタンはシャッターボタンぐらいしか無いようで、電源ONはレンズを回す。露出補正も夜景モードもセルフタイマーも無くてフラッシュもOFFに出来ないらしい。なんという割り切りっぷり。シンプルデザイン、簡単操作と言えば聞こえはいいけど少しもどかしくも感じる。でもその思い切りの良さが気持ちよすぎる。それに富士フイルムが作るカメラだ、誰がどう撮ってもちゃんときれいに写るに違いない。ゆだねるしかない。なんといっても見た目がいい。飾っておくだけでも生活の質が上がる。

 

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 ・ニコンZマウントレンズには28-75mm F2.8というレンズがある。非常に好きな焦点距離域だ。好感が持てる。平成初期を感じる。28mmはじまりの標準ズームって大好きだ、無駄に真剣な気持ちにならなくて済むから。肩に力が入らない、軽やかな撮影ができる、きっとこの28-75mmもそうだ。

 それから17-28mm F2.8というレンズもある。28-75の相棒にぴったりではないか。17mmというのも絶妙。この2本だけあれば日常から非日常まですべてをカバーできそう。調べたらこれらにはタムロンが関わっているらしい。どうりでこの少し不思議な、懐かしい焦点距離域。S-Line(高級ライン)ではない、という位置づけも個人的には好きだ。カメラ1台にこの2本だけ持ってどこまでも行きたい。そういう冒険心、旅行欲をかきたててくれる良いレンズだと思った。

 

 ・今さらながらライカSLシステムの簡素さ、必要最低限さを気持ちよく感じることがあった。2023年10月時点で単焦点レンズが8本、ズームレンズが5本。*1

 単焦点レンズの内訳は28mm、35mmが2本、50mmが3本、75mm、90mmとなっている。ちなみにF値は50mmF1.4以外は全てF2。それにしても潔いラインナップだ。*2これだけ揃ってれば充分でしょということなんだろう。充分でしょ。カメラ1台に1本か2本のレンズでいいんだよ。

 

 ・更にさっぱりしてるのがコンタックスGマウント。こちらは単焦点が5本(16mm,21mm,28mm,35mm,45mm,90mm)にズームが1本(35-70mm)。見てるだけで気持ちいい。本当はそんなものでいいんだと思う。

 

*1:参考。キヤノンRFシステムは単焦点が18本、ズームが15本。ニコンZシステムは単焦点が20本、ズームが17本

*2:2023年10月追記。21mm F2と14-24 F2.8の2本が新しくリリースされたようだ。ライカSLレンズがまだ増えることなんてあったんだ。

2023年10月のつぶやき

 

 ・2023年10月はすばらしい気候の日々に恵まれた。心地よい風、高い空。葉々がこすれあう木立の音。この空気に何を溶かそうかと考えた。どの音楽がいいか、どのお香がいいかと。最良の食材を前にした料理人のように。

 皮膚に当たる空気全て、自分が求めていた以上の品質だった。

 

 ・釣りに行った。次から次から釣れた。満月に近いのも関係していたのかもしれない。が、むかし魚を飼っていたために可哀相に思えて仕方なかった。特に、小さめの魚が酸素を求めてパクパクしているのが「エサちょうだい!」のパクパクに見えて。

 矢野顕子の「釣りに行こう」が聴きたくなったのは家に帰ってシャワーを浴び終わってからだった。

 「釣りに行こう」が入っているアルバム『LOVE LIFE』をつまみ聴きしてから、アルバム『LOVE IS HERE』を聴いた。「CHILDREN IN THE SUMMER」のブラスがシャープで良い。Bメロの前にパララキャラパパ……って入ってくるのとか、最後のサックスソロとか、すごくワクワクする。『LOVE LIFE』も『LOVE IS HERE』もサウンド東海岸ジャズフュージョンですごく自分好み。スムースジャズ歌謡というか。

 

 ・おいでよどうぶつの森RTA動画を開くことがあった。心地よい。

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 ・自分には縁遠い飲料だと思っていたエナジードリンクを常用している8月9月10月だった。確かに効き目を感じた。効き目、というか、飲んでれば自分の動きが良くなる、というか、動きの悪さが多少覆い隠せる、というか。モンスターエナジーのパイプラインパンチという味がお気に入り。果汁16%。美味しいジュースみたいで普通に美味しい。

 いま書いてて思い出したけど、私が偏愛する激安スーパーであるラ・ムーにもオリジナルエナドリがある。名をゴールデンハンマーという。ラ・ムーの運営会社である大黒天物産の由来であろう大黒天、が持っている打ち出の小づちに由来するのであろう。費用対カフェイン比はレッドブルとかモンスターエナジーなんかより全然良かった気がする。激安食品にありがちな殺風景デザインに傾きつつも、配置や文字のバランス等がセンスによってこぎれいにまとまった缶の絵柄も、ほどほどに意識が低そうで大変よろしい。これを飲んでいる人は、コンビニで売ってるようなエナジードリンク飲んでは「不健康な自分」を演出しているその辺の軟弱者より500倍ぐらい身体に悪いことしてるように見える。トップバリュの酒飲んでる奴と同種の「一線を越えてしまった」感。金色に打ち出の小づちが描いてあってゲームのアイテムみたい。カービィの世界に置いてあっても違和感なさそう。味の方もまずまずで、レッドブルにそん色なかった気がする。最近飲む機会に恵まれていないが箱買いしようか悩みはしている。

 

 ・いよいよ電子タバコすらも気分悪く感じることが多くなった。

 先日飲んだ一杯が今年初めての日本酒だった。どんどん身体がクリアになっていくのだろうか。

 ・新幹線の喫煙スペースがなくなった。車内販売もなくなってしまった。今の子どもは悪ぶってもタバコは吸わないらしい。買えないしうえに高いからだそう。もうひと箱500円じゃ買えないもんな。

 

 ・市か区かがやってる施設に月1ペースで行く用事があって、かよっている。そこのローカル感(他の場所でも感じるようだけど、でも少し違う雰囲気。そんなはずはないのだが、立地しているのがそれほど裕福でない地域なのかもしれない。決してお金持ちではない人が思いやりと優しさを持ち寄って運営出来ている雰囲気)が、2023年の夏から秋にかけての象徴的な印象感覚のひとつになった。そこのことを思うと少しだけ不必要に悲しくなる。

 スタッフはシルバー人材センターの人でマニュアル通り過ぎない感じで働かれていて良かった。皆さん動きがゆっくりで、そして書く字になんというか説得力があった。長く生きている人の筆跡。

 

 ・散髪をした。床屋の主人は木工工房をやっている人みたいな雰囲気だった。私の好きな日本人ジャズピアニストにも少し雰囲気が似ていた。髪型の流行り廃りについて教えてもらう。ご主人は前髪、サイド、後ろのラインをつなげる髪型を「つなげる頭」と呼んでいて(小学生向けの塾で聞くような語感が面白かった)、昔はそれが当たり前だったらしい。彼が床屋さんを始めた頃はスポーツ刈りや「ブロース」なる髪型(スポーツ刈りに類するもののようだ)を、ハサミだけで—―つまりバリカンを使わずに――作れるのが当然だったらしい。今の子はそういうことが出来ないらしい。

 ・「世の中には色んな散髪屋さんがいるのだな」ということを思った。当たり前の事実を何故かこのタイミングでふと思った。ワイシャツにスラックスの人、アロハシャツの人、エプロンを着た人。皆同じようなことを同じような手順でやっているように思えて、それぞれのスタイルがあった。タバコを吸っている人、AMラジオをかけている店、有線のイージーリスニングをかけている店。また散髪に行きたくなってきた。早く髪伸びないかな。

 

 ・数年ぶりに自分に縁深い場所を歩いた。光が清潔で、でも清潔過ぎなくてほどほどに過ごしやすかった。草が伸び放題の土地があったりしてよかった。コインランドリーとクリーニング店がやけに多かった。何かと重ね着する人たちが住んでいるのかもしれない。八幡市を南北に通る府道22号線ぽい道があった。また間をあけて遊びに行こうと思っている。

 ・住んでいるところから離れた土地に行ったら何かを食べるようにしている。出来れば現地に住んでいる人が手で作ったものを。自分の出来心地(組成)にランダムな変化が生まれることを狙ってのことだ。

 

 ・2023年10月の私がここでこういう暮らしをしていることを、例えば2015年とか2017年の私は想像すらしなかった。人生は何がどうなるか分からないものだなあ。と、思ったが、2015年の私も2017年の私も、私に2023年まで生きていて欲しくなかった。「どうなるか分からないものだなあ」じゃあないんだよ。早く死んでくれや。

 

 

 ・G-SHOCKのこと。

 5900シリーズにまたしても新しい機種が登場した。ラッシュと言っていい。

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 社外品のアダプターとファブリックバンドに替えて着けたい。電波ソーラーの5900でないかなとずっと思っている。

 ・それからGD-350シリーズの動向を気にしている。今は黒金しかないが、落ち着いた色合いのモデルが出てほしい。

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 ・テクノって抜き差しの音楽だと私はとらえている。パートが入ったり消えたりすることで変化をつける。曲が進行していく。日常とモノの関係も同じだと思った。自分の心音なり靴音がドッドッドッドッと4つ打ちで鳴ってるうえに、あの椅子を捨てました、カトラリーを買いました、このテレビを手に入れましたというように、「乗ってるパート」がどんどん移り変わる。AとBが一緒に在った時期、AとCは同じ時期に無かった、BとDが入れ替わった、とか。

 ・まだ減らせる。何を捨てられるだろう。一つ増えるごとに現世との結びつきが強くなり、一つ手放すごとに存在が宙に浮きあがる。

 

 

 ・NiteFfyte「You Are」をやけに聴いていた。CP80らしきピアノがすごく好き。電気ピアノのCPのシャキっとしたアタックと、冷たくてほどほどにつやがある音ってもう本当に大好き。フュージョンだけを例にとってもSHAKATAK「NIGHT BIRDS」、ザ・スクエア「宝島」、KANGAROO「GEMINI」などなどなど数多くの歴史的名曲のなかで確かな存在感をきらめかせている。

 ・今月のパワープレイ。Milk Talk & Vantage「Million Mikes Away」、それからゲームRidge RacerのBGM「Rotterdam Nation」、SOFT BALLETのアルバム『EARTH BORN』、など。

 

 

 

 ・今月の印象的なツイート。

 

 

2023年9月のつぶやき

 

 ・具合が悪かったので病院に行った。自分達の身体の状態を調べる機械を造って量産して、それを扱える人を育てて……ってそんなことしてる生き物は人間ぐらいだろう、と思ってた。ネオンテトラがレントゲン撮ってもらいに行くなんて話は聞いたこと無いし。

 待合室にあった自動車雑誌を見ても同じようなことを思った。別の国(似てるようで違う種類の人間が、通じない言葉を話す土地)で造られた乗り物の、写真を撮る人がいて印刷をする人がいて。そしてその紙束を売る人やここまで持ってきた人がいるわけで。例えばトヨタの工場が愛知県にあるとしてそこに行かないとクルマが買えないなんてことはなくて。最寄りの販売店にさえ行けばいい、という事実に人間のすごさを感じる。アルミのお鍋を持ってお豆腐を買いに行くみたいに広島まで電車で行ってマツダのクルマを売ってもらうような買い方もしてみたいけど。

 ・ガンです、とか言われないかなと幾ばくかのワクワクがあったが、そんなことは言われなかった。

 宣告されて一番嬉しい余命は何年かということを考えていた。10年、5年?いや、5年なんて10年とほとんど変わらないし、10年というのはほぼ永久と等しい。嬉しくない。3年?いや、1年。いや、うーん、半年だな。身の回りを片付けたり挨拶まわりするのにちょうどいい気がする。1年だと生前整理が中だるみする。あと6か月は生きられます、ぐらいがいい。なんにしたって明日車に轢かれて終わる可能性だってゼロではないんだけど。

 

 ・日常の場から距離が離れると思考も変わること、を覚えておいてほしい。

 

 ・「この街を歩くにはこの腕時計ではないよな」「この街に合う腕時計が必要だよな」と思ってしまった。気の迷いだ。本来はそんなものは必要ない。

 

 ・翻訳すれば「ウクライナから帰国したロシア人が、子供たちを感動させるためにロシアのカザンにあるアパートの前で手榴弾を投げた。」というキャプションがついた動画を見た。

 ベンチに座ったおじさんが近くでたわむれている子どもに、多分「おっちゃんおもろいモン持ってんねんで!君ら手榴弾て見たことあるか!?ボカーン爆発すんねんけどな!w」みたいなことを粗野な感じで話し掛けていた。それから当たり前のように悪気無さそうに、(もしかしたら子どもをびっくりさせて喜ばせてあげようとしたのかもしれない)、どこからか取り出した手榴弾のピンを抜いてポーンと遠くに放った。画面に写らない所で爆発音がする。駐車場の車の防犯ブザーがけたたましく鳴る。多分アパートのオートロックを開錠しつつおじさんを警戒していた母親らしき中年女性が、多分「アホか!!!!!オッサン何してんねん!!!!子どもおるやろ!!!!ここどこや思てんねん!!!!!何考えてんねん!!!!!」みたいな感じでキレ散らかす。怒られているおじさんの、事の重大さが分かって無さそうな若干へらへらした雰囲気が印象的だった。戦場で感覚とか倫理観とかが壊れてしまったんだろうな。

 

 ・コミュニティFMの情報量の少なさ、薄さが最近心地いい。普通のFM放送の、休日深夜帯の濃度が24時間つづくような印象がある。放送局は1日を持て余しているのではないだろうか、という疑念すら、またある。時間を問わず場繋ぎ的に流されるクラシックやジャズ。それってあまりリスペクトを感じない音楽の使い方(ちょっと良い寿司屋で何故か流れている有線のジャズも同じ!思想が無い!)だけど、無音状態と能動的に音楽をかけている状態の中間でいさせてくれて、たすかる。

 ・刺激や情報量のない放送が好き。NHKの深夜にやってた番組も大好きだった。空撮で延々と山肌を撮り続けるやつとか。調べたら『映像散歩』という番組だった。今もやってるのかな。

 

 ・今月のパワープレイアルバム。1983『渚にきこえて』、Kieder『It's Ok, B U』、CHICK COREA EKECTRIC BAND『Beneath the mask』、などなどなど。

 

 ・繰り返しになるが、どんなに広い空間でも広々とした状態は長くは続かない。それは「どんな大きさの空間であっても、そこをいっぱいにするまで散らかった物が広がっていく」という暗黙の法則が存在するから。これはおそらく「何も物がない空っぽな状態は自然界には見出だせない」という法則が形を変えたものだろう。(TERENCE CONRAN『small spaces』杉浦幸子訳 河出書房新社

 ・むかし京都にコンランショップあったのにな。閉店セールの場で、石で出来た写真立て買おうか迷ったのももう何年前になるんだろう。