日記 2022年6月20某日 帰り道

 

 気持ちの凹みにぴったり合うパーツは見つかりそうになかった。それは酒でもタバコでも薬でもなく、ましてや見知らぬ人間との交流でもなかった。舞台と演者が変わっても役回りと筋書きは結局のところ似たようなものなのだな、とふと思った。おれは一体何をやっているんだ、的な冷めた返我*1があり、その後にはいつものように自嘲があった。自らの境遇をあざけりわらうことによって、悲劇にすらならないただのつまらない現況を喜劇へと転換しようとする態度であり、クセづいたみっともない試みであった。

*1:返我(へんが):ふと我に返ること、またその状態