高カロリーなアニソン

 

 『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品にどハマりしていた。原作のライトノベルを読んでいた多感な時期にちょうどアニメの一期の放送が始まった。その頃に世に流れていたアニソン、アニソンっぽい楽曲も今となっては——いや今とならなくても当時から——どうしようもなく恥ずかしい。だがそれでも古い友人のような親しみがある。

 『創世のアクエリオン』。本編1秒も見てないけどオープニングは300回は間違いなく聴いた。サビ前の歌詞が「祈りやらしながら生まれてきた」にしか聞こえなくて、まあそんな訳ないだろ、と思ったまま何年も放置していた。今調べたら「祈り宿しながら生まれてきた」だった。

 

 あの頃はそういうアレンジが流行っていたのか、トランスっぽい楽曲をよく耳にした。*1

 自分の中では茅原実里の『純白サンクチュアリィ』がその代名詞だ。これぐらいしかちゃんと知らないということもある。名曲だ。「サンクチュアリ」ではなく「サンクチュアリィ」なのがこだわりポイントなんだろう。


[Official Video] Chihara Minori - Jyunpaku Sanctuary - 純白サンクチュアリィ

 

 シンセがこれでもかと盛られたカロリー過多の、ややアップテンポな楽曲である。あまりにもノリノリで情報量が多くてゲラゲラ笑ってしまう。やっぱりシンセの音とかが恥ずかしい。時代を感じる。大好き。絶対に葬式で流して欲しい。トランス系のビートを土台にしていて、EDM定番の(刻みが半分半分になっていく)スネアロールのフィルが酷使されている。文字通りの酷使である。

 0:25~0:28のリバースシンバルからキックのコンボでまずハートをわしづかみにされる。この「ドーン……」は分かってても笑ってしまう。疲れてると大声を出す芸人の大声で笑ってしまう事態に近い。

 ところどころで美味しい役割をもらっているバイオリンが良い。敷き詰められた電子音に埋もれることなく、楽曲にスケールの広さと切なさ、真に迫った印象を加えている。この『純白サンクチュアリィ』が他の凡百のトランス系オタク楽曲と一線を画しているのは、このバイオリンのおかげだろう。知らんけど。

 

 

 

*1:当時は『only my railgun』が至るところで流れていた気がする。こちらもアニメ本編は見なかったけど聞き覚えがある。やっぱりこういう曲はオタクが何万もするイヤホンないしヘッドホンで聴いてそうで良い