テクニカルバックEでできること

 

 以前書いた記事*1に「テクニカルバックEはキーボードユニットEがなくても日付設定など出来るのでしょうか」というようなコメントがついていた。今日は改めてテクニカルバックE(とキーボードユニットE)で出来ることについて紹介していきたい。紹介していきたい、っていうか2022年の今こんなアクセサリーを新しく手に入れる人なんているのかしら。

 で、先に質問に回答しておくと、「できます。テクニカルバックEは単体でも文字入力出来るので、キーボードユニットEがなくても日付の設定は出来ます」。

 

 

 ここから本題。テクニカルバックEは7つの機能を持っている。順番に見ていこう。

 

1.データ写し込み機能

 撮影データをフィルムに写し込む機能。そのデータというのは、《日付・時間・露出データ(シャッタースピードと絞り値)・焦点距離・撮影モード・フィルムカウンター・任意の文字列》の7つ。この中から1つを写し込むことが出来る。特筆すべきは焦点距離と任意の文字列ではなかろうか。焦点距離だぜ。すごいよな。任意の文字列は30桁まで入力できる。写し込む光量も調節することまで出来る。これが基本的にはフィルム感度に応じて自動で調節されるというのもすごい。

 

2.データ記憶機能

 テクニカルバックEは記憶容量を持っていて、撮影時のデータを記憶することが出来る。どのデータを記憶させておくか、についても2つのモードが存在するが長くなるので割愛。

 

3.プログラム機能

 個人的に一番すごいと思う機能。プログラム線図の設定が出来る。線図がドットでグラフィカルに表示され直感的に編集できる。例えば[500分の1秒・F11]から一段明るくしたいとき、[250分の1秒・F11]とするか[500分の1秒・F8]とするかは人によってもカメラによっても違うだろう。人とカメラの意見が合わないとき、つまりカメラが思うように挙動してくれないときもあるはずだ。それを解決してくれるわけである。

 例えば明るいところから暗いところまで撮っていくとき、絞りをあけるのはF4までで、それ以上暗くなったらシャッタースピードで対応させる、というようにカメラのロジックを人間が決めることが出来る。

 

4.オートブラケット機能

 今では当たり前になったAEB機能。EOS620にも、630にも搭載されていたが、こちらは一度に9枚まで撮影することが出来る。ちなみにテクニカルバックE側でAEBをオンにしているときは本体のAEB機能は無効になる。そのへんちゃんとしてます。

 

5.タイマー機能

 セルフタイマーとインターバルタイマーを備えている。撮影枚数、撮影間隔を設定できる。露光時間を設定することも出来、長時間露光も99時間99分59秒まで可能。オーパーツかな?インターバルタイマーは地味に便利で、今では当たり前になった機能の一つだが、毎朝6時に空を撮るとか、2日に1枚植物を撮って成長を記録するとか、そういうことが出来る。多重露光との併用も可能なので星撮りもできそう。

 

6.写し込みデータ修正機能

 実は、テクニカルバックEのデータ写し込みは撮影時ではなくフィルム巻き戻し時に行われる。なのでフィルムを巻くまでは何枚目に何を写し込むかといったことを編集できる。本当にすごいぜキヤノン。見直したぜ。みんなも見直そう。この編集時にはキーボードユニットEがあった方が絶対にラクだ。

 

7.ノート機能

 これも目玉機能。数字記号アルファベットを30桁まで写し込むことが出来る。この内容もまた記憶させておくことができる。前出の1.データ写し込み機能との併用も可能で、1行目にシャッタースピードと絞り値や日付を、2行目以降に任意の文字列を写すなんてことも出来る。マジで何でも出来んじゃん。

 

 

 以上、テクニカルバックEでできることの紹介でした。

 

 最後にキーボードユニットEで出来ることのうち、特筆すべき機能を紹介したい。

・カタカナ入力が出来る!!!!以上!!!!

 

 最後の最後にテクニカルバックE豆知識。

・カレンダーは2099年まで対応。うるう年も自動修正。

・写し込まれる文字はネガ上で0.75mm。らしい。私が測ったわけではないですが。

 

 

 

 7つの機能のアイコンが並んだメニュー画面。