2021年4月のつぶやき

 

 ・「今年の4月はまだ寒くて春が来てない」を聴きたくて佐々木期ピチカート・ファイヴをかける。アルバム『カップルズ』はシルクのようなサウンドで、リリースから30数年たったが未だに美しい。古臭さとか昭和臭さは極めて希薄。初めて聴いたピチカートが『皆笑った』だった。最初のギターの「ジャラーン……」を聴いた瞬間に心を打ちぬかれた。

 アルバム『カップルズ』より前の打ち込み主体の楽曲は無機質でどことなく不気味。でも好き。「オードリー・ヘプバーン・コンプレックス」もやっぱり不穏。のっけからFMグランドピアノがガジャガジャ鳴って歌詞通り頭が割れちゃいそうな雰囲気。怖い。シリアス通り越して何やらただならぬ感じがある。野宮期の躁的な弾けっぷりと対比するとこの頃は憂鬱で、そこがまたよいです。


 ・めぞん一刻の管理人さんが好き。暴力系ヒロインって言葉があったけど、普通に昭和特有のガチ暴力振るってるのがヤバくて好き。思い込みとか思い違いとかで嫉妬したり拗ねたりキレたりする話が多い。めちゃめちゃめんどくさい女なの管理人さんは。

 自分の見間違いでブチ切れて、ウサ晴らしに入ったパチンコで大勝ちして、手に入れた缶詰を帰り道に会った五代君に投げつけるエピソードが一番好き。「あたしがなにしようとっ、あなたには関係ないでしょーっ!!」って缶詰ぶん投げるの。

 

 ・脳の違う部分を使いたくてクロマチックハーモニカを始めました。口寂しい時とか、意識的に呼吸をしたい時とか、カーペンターズの『Rainy Days and Mondays』のイントロが急に聴きたくなった時とか、に舐めて凌ぐつもり。

 クロマチックハーモニカは興味深くて。しばらく触って、#を足す楽器だと感じた。クロマチックハーモニカの世界では♭は息を潜めている。ある穴を吹いて出た音(例えばド)から上がるにはレバーを押しつつ吹く(ド#)、吸う(レ)、レバーを押しつつ吸う(レ#)、という選択肢がある。一方、その音から下がる(シ以下)には左隣の穴に移らないといけない。

 正直に言うと今まで、あの黒鍵を見てレ#だとか、あの黒鍵を見てラ#だとかあんまり思わずにあんまり言わずにやってきた。ゆっくり丁寧に練習していこう。いつか口笛や鼻歌ぐらい自在に操れるようになりたい。