女子供には分からない

 

 「女子供には分からない」って危険だよね。自分が成人男性ってだけなのに民を選しちゃう思想に片足突っ込んでる気がするんだよ。なんかこう”通”みたいな気分になっちゃう。女子供はさ……って口に出す行為は自己演出に加担してしまうし、ともすれば酔えちゃう。*1

 「犬猫畜生」って言い回し、汚い言葉だと知ってて言葉遣いを悪くしたくて使うことがある。好きなんだけどもうダメだね。たぶん眉ひそめられる。令和では死語。そのうち、使っちゃダメな言葉になる。いや多分もうどこかではダメになってるはず。「女子供」も同様に令和生まれが成人するころには消えてるでしょうな。それが”良い”社会なんだと思う。今でさえ息苦しさがある2021年を振り返って昔は良かったよな~って懐古する人も出てくるはず。でもその2021年においてでも、おおらかさの陰や裏側で泣いてる人はいるんだよね。

 「女子供には分からない」がさ、矜持じゃなくて心の拠り所みたいになっちゃうと男はいよいよ哀れな生き物に堕すると思うんだよね。”吉野屋コピペ”ぐらいだったら可愛いけど。でも、悲しいかな「男にしか分かんねえよなこれは」に依る/拠るしかないところもあって。自己存在の悲しみ、男特有の弱さあるいは生きづらさみたいなものを、ほかの人に対して7:自分に対して3、感じざるを得ない。

 たぶん多くの人に当てはまることだと思ってるんだけど自分を慰めてくれるのって自分しかいない。もっと言うと男に「ただあなたはいてくれるだけでいいんだよ」「生きてるだけでいいんだよ」って声をかけてくれる人って基本的に母親だけだと思うんだよね。*2

 その母親が言わなかったら基本的にもう詰みですわ。当人が自分に言い聞かせるしかない。あるいは無敵の人化。*3 そうやって無敵になった人、そういう生き方見てると「へっ、女子供にゃあ分かんねえよ」とか宣うぐらい容認、とまではいかなくても放置、せめて攻撃しないであげる、ぐらいしてあげてもいいんじゃないかって思いますけどね。

 とかってなんだか何となく、他人事みたいな語り口だけど。息をするように自己韜晦の私も多分もう何段階か追い込まれて色々なことが見えなくなって、代わりに色々なものが見えちゃうようになると堕しちゃうんだろうな~。男であるということだけが自分の誇れる点、って生き物に。有り難いことにそこまで行ってないけど気を付けたい。せいぜい愛を振りまいて、それからたまに投げ返される愛を胸で受け止めて生きますわ。

 ここまで読んでくれたあなたにもサンキュー。ラブアンドピース。「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ、オリンパス」、当サイトはOMデジタルソリューションズ株式会社を応援しています。

 

 

 

 

 

*1:この記事ではわざと「子供」と表記しています

*2:女の人もそうなのかもしれないけど自分は女の人じゃないので分からん。そうともそうじゃないとも言えないので何も言いません。

*3:「なつき度」が進化に関わってくるポケモンいるけど、自分と家族と社会に対して「なつき度」が最悪のまま歳取ったせいで無敵の人に進化しちゃう人間もいる。進化というより、たまごっち放っといたら「にょろっち」になっちゃった~、って例の方が適当かも。読まれてから書くけどこの注釈は完全に読まなくていいです。