2021年1月から2月にかけてのつぶやき

 

 ・三脚とカメラ合わせて10キロを担ぐと足にかかる重力が増しているのが分かる。タコ部屋に入れられた土工は、毎日重いものを担いだために肩の肉が硬く盛り上がったという。ちょうど「神輿こぶ」のようなものだろう。そんな身体には絶対なりたくない。

 ・レンジファインダーに100ミリのレンズを付けて振り回したくなった。小さいカメラでラフにあんまり考えずに撮りたかった。ノーファインダーでぱちぱち撮るならRFカメラがいい。別に一眼レフでも覗かずに撮ればいいわけだが、一眼のノーファインダー撮影ではRFのそれと意味合いが変わってくる。ファインダーから見ているまま——視差無くという意味だ——の風景を記録できる一眼レフは、逆に言えば見ているものしか撮れない。そういったある種の厳格さや精密性から解放されたくもあった。

 ・FUJIFILMの新機種X-E4に60ミリのマクロをつけてパチパチ撮るのも軽快でいいだろうなと空想した。ボディもレンズも良いデザインだ。デジタルだからもっと考えなしに撮れる。

 ・すこし前には——私がEOS 55+EF85mmF1.8の現代版だと思っている——EOS RP+RF85ミリマクロの組み合わせも気になっていた。(カメラのバッテリーが私が持っていないタイプだったので欲しい物リストから消えた)

 

 ・チック・コリアが亡くなった。エレクトリックバンドのファーストアルバム『The Chick Corea Elektric Band』を初めて聴いた日のことはよく覚えている。CDを買って帰って通して聴いていると、「King Cockroach」という曲の最中になんと本物のCockroachが現れたのだ。その前の邂逅がいつだったか思い出せないぐらい久しぶりに、である。この偶然の一致には意味がある気がしてならなかった。運命のめぐり合わせに感嘆しつつ急いで殺したが、今思えばフュージョンが解るCockroachだったのかもしれない。

 アルバムそのものは、シーケンサーのようにカッチリしたグルーヴ、込み入ったフレーズ、テクニカルな演奏、キメにつぐキメ、FM音源の軽薄できらびやかなサウンドと、私が嫌いにならないはずがない内容だった。

 

 ・思い出話。何年か前のある日、外を歩いていた。小学生か幼稚園児かの子どもが列をなして歩きつつ、みんなで歌を歌っていた。「おひげをはやしたおじさんも むかしはこども」という一節が耳をひいた。それはリパブリック讃歌のメロディで、ヨドバシカメラの歌でいうところの「新宿西口駅の前 カメラはヨドバシカメラ」の部分だった。初めて聞く歌詞であって、そしてやけに心を打たれた。♪むっかしはこ~ど~も~!と声を張り上げるキッズたちもいつかおじさんおばさんになるのだなあとしみじみした。これを書いている今も思い出ししみじみをしている。全ての子どもには脅かされたり損なわれたりすることなく思うがままに育ってほしい。

 

f:id:artexhibikion:20210301033916j:plain