戦争は嫌だねと君が言ったから八月十五日は終戦記念日

 

 終戦記念日は何を記念しているの。敗戦反省日とかの方がよくないかって毎年思う。みんな戦争は良くない良くないって言うけど身をもって悲惨な目に遭わないと本当には分からないでしょ。だから僕にも本当には分からないよ、体験してないし。小学生の時だったか、戦争は良くない作文書かされた覚えがある。喧嘩もしたことないような級友が知ったような顔で戦争は良くないと思いますとか書いててふふって笑った。戦争を自慰自己陶酔の材料に使うのは醜いなと思いながら僕はマルクス・アウレリウス『自省録』のページをめくっていた。うそ、ごめん後半はちょっと盛ったわ。何にせよ、みんなが黒だと言うことを黒だと主張するほどラクなことはないよね。

 戦争良くない良くないっていうけど、良くなかったのは太平洋戦争じゃない?負けたからじゃない?日清戦争の反省とかあまりされないように感じる。単純に昔過ぎるってのいうのは大きいだろうけど、勝ち戦だったから良くなさをあまり感じないんじゃない?だから次は確実に勝てる国に攻めていってコテンパンにして国民の自己肯定感養っていこうや!とか思わないこともないけど、勝とうが負けようが誰かの大切な人は確実に死ぬのでこれはナンセンスな発想だね。

 日本人は言い換え民族なんでしょうか、終戦記念日っていうのも引っかかるけど、進駐軍っていうのもおかしい。あれは占領軍じゃないのか。少し脱線するけど、一時期よく聞いた「駆けつけ警護」も引っかかった。表現を和らげるのは小賢しいよ。それからたまごっちの「産卵期」が「フレンド期」になったのも気になった。「仲良し日」みたいな気持ち悪さを感じた。まあそれはそれとして。

 戦争(太平洋戦争)は良くないなと思うようになったのは、祖父の兄弟が戦死したことを知ってから。戦いが無かったら会えていただろう人に、僕はこれからどれだけ長生きしても会えない。先の大戦は平成生まれ人間の人生の幅まで狭めてしまった。激怒です。まだまだ若者だった彼に出撃を指示した上官とか、彼を殺めたアメリカ人とかイギリス人を恨んでも恨み足りない。祖父はその兄弟と一緒にいた時間よりもはるかに、兄弟を失ってからの人生の方が長いの。それが本当に不憫で不憫で、泣きそうになって、喉元に力が入る。怒りで血が沸騰しそうになる。

 争いごとにしても何にしても、偉い人は図々しく快適に生き延びるものなんだろうねえ。また話は変わるけど次のオリンピックだってそうでしょ。ボランティアに志願させられた若者達が沢山熱死するんじゃないかな、それで慰霊碑が建ったりするの。その金は死ぬ前に使ってやればよかったじゃない!って思いたくないから、良い感じにうまくいきますように。というかやりたい奴らだけでリソースを出し合ってやればいいじゃん。一般生活者を巻き込むな。戦争なんてイベントは迷惑行事の最たるものです。

 

 なんか今回はえらく政治的な文章になってしまった……。お目直しに綺麗な植物の写真を載せますのでこれを見て心を安らげてください。

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